セメント系固化材を使用した地盤をバイオの力で安全にする
軟弱な地盤を改良する際に使われることが多い「セメント系固化材」は、現在、住宅工事や公共工事の現場で広く使われている。ところがそのようなセメント系固化材を使った改良土からは、発がん性物質である「六価クロム」が発生することがある。
そこで同社がこの問題解決のために研究開発したのが、セメント系固化剤に添加することで六価クロムによる土壌汚染を防止する液体状の商品「改良6出なし」だ。主成分は自然界にある菌の一種である「放線菌ST13株」。東京工科大学の杉山康友教授が土の中から発見したもので、同社が教授と共に6年の歳月をかけて研究・開発、安全性の確認を行い、製品化した。(特許NO.4395870)
地盤の表層改良工事では土壌にまいて撹拌して使う。柱状改良工事の場合はスラリーに混ぜて使うことで、一週間ほどで六価クロムを安全な三価クロムの状態に還元できる。現在、公共工事では地盤改良工事の際に六価クロム溶出試験の実施が義務付けられており、住宅地では六価クロム等で汚染された土壌であることがわかると、土地の資産価値が落ちる可能性がある。
安心、安全な土壌であることは、その土地で生活する人々の健康と資産価値を守ることでもある。「改良6出なし」はまさに土壌改良の救世主であり、今後ますます注目されるだろう。