通信興業株式会社

川越スチューデンツの地元企業訪問31

通信興業株式会社

高品質通信ケーブルで情報社会を支える

超高速LANケーブルなどの通信用電線・ケーブルの研究開発・製造販売

企業内容:
川越市的場1735-2
資本金  9,800万円 従業員 92名
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<事業内容>

 もはやパソコンやスマートフォンを使わない生活など考えられない現代だが、それに欠かせないのが、身の回りに網の目のように張り巡らされている情報通信ネットワークだ。通信興業は1947年の創業以来、一貫して情報通信用ケーブルの専業メーカーとして通信インフラを支えてきた。                  
 LANケーブルや光ファイバーケーブルなど、通信用電線・ケーブルに特化し、研究開発から製造、販売まで一貫してすべてを川越市の本社工場で行っており、高品質な製品づくりが同社の強みになっている。
 
 設立当初の電電公社(現・NTT)用ケーブル製造から始まり、その後、住友電工との技術指導援助契約を結び、光ファイバーケーブルの製造等へと発展していくなかで、安定した高品質の製品を提供する技術力が磨かれていった。
 1979年から自社ブランドの開発を始め、1990年には日本初のLANケーブル「TSUNET」シリーズの製造販売を開始。環境に配慮したエコ対応のケーブルも製造するなど、現在はさまざまな用途に対応した、幅広い製品の開発にも注力している。2020年からは、GIGAスクール構想のもと、川越市内の小中学校の情報通信ネットワークにも同社の製品が使われている。

 「今後もファクトリーオートメーション(人が少なくなることで求められる自動化)が進んだところや、人がアクセスしにくい場所を遠くからモニターする監視カメラなど、通信ケーブルが活躍するところは増えていくでしょう。時代のニーズに沿った製品をいち早く開発、提供し続けていきたいですね」と代表取締役の石橋栄子さんは展望を語る。
 

  • LAN用ケーブル「TSUNET-10GE」シリーズ
    LAN用ケーブル「TSUNET-10GE」シリーズ

    <職場の特徴・求める人材>

     部署により社員の役割はそれぞれ違うが、お互いの仕事を認め合い、明るく活気のある職場の雰囲気が特徴だ。男性が多いイメージのある業種だが、現在の同社従業員の女性比率は34.8%と高い。例えば製造部でもコネクター加工など手先の器用さが求められるところだけでなく、最近は機械やフォークリフトを操作する女性もいるという。
     「お客様に喜んでいただける製品を絶えず提供する」という経営理念があるが、「その前にまず全社員の幸福の追求を大事にしています。そうでないと企業として存続できません」と石橋さん。働きやすい労働環境づくりにも力を入れる。
     技術開発には理系の知識が役立つところも多いが、理系文系・男女を問わず「仕事に興味を持ち、自分の役割にじっくりと取り組んでいく人」との出会いを求めている。

    • 代表取締役社長 石橋栄子さん
      代表取締役社長 石橋栄子さん

    <活躍する社員コメント>

    松澤民恵さん  技術開発部
    入社25年目  大学・理学部化学科卒
                     
     新製品の開発や、既製品の改良、設計票作成などの業務に携わっています。自分たちが開発したものが世の中で使われているというのはとてもうれしく、誇りに思います。今は年下の社員を教育する立場でもあるのですが、人に教えることの難しさを感じながらも、社員が成長していく姿を見るとやりがいを感じます。
     今、小学生の子どもが2人いますが、産休や育休もしっかりとれましたし、残業も免除してもらえるなど子育て環境が整っていて、長く働ける会社だと安心しています。

    志村駿さん  製造部
    入社18年目 工業高校・機械科卒 
     ケーブル製造の最終工程である、外被の製造を担当しています。生産性を上げる作業工程を考え、決めていくのが仕事です。製品最後の工程なので、それまでの各工程に関わってきた人の技術や思いも伝わってきて、失敗できない緊張感もありますが、試行錯誤しながら目標とするコストダウンやスピードアップが実現できたときは達成感がありますね。社内全体に「いいものを作ろう」という雰囲気があって、意欲をもって仕事に取り組めています。

    <お話を聞きました>

    • 話し手 
      代表取締役社長 石橋栄子さん
      技術開発部 松澤民恵さん 
      製造部 志村駿さん   

      聞き手
      東京国際大学 国際関係学部3年 溝口希実さん
      東京国際大学 国際関係学部3年 永野歩美さん
      東京国際大学 言語コミュニケーション学科3年 小久保摩耶さん
    • <お話を聞きました>
    Q:Q:松澤さん、育児と仕事の両立を実現されていますが、コロナの影響で働き方は変わりましたか?(小久保さん)
     私が入社したころは、この会社だけでなく社会全体として、女性社員は結婚や出産を機に退職するのが普通でした。しかし、当社は退職せずに仕事を続けられる環境が整っていて、今は子どものいる女性社員が7名もいて心強いです。無理のない範囲で働ける土壌ができているのがありがたいですね。コロナをきっかけにリモート会議ができるようになったので、都内のセミナーが会社で受けられるのはとてもよい変化だと思います。
    Q:Q:志村さん、「勤務中に人と関わることが少ない」ということですが、どんなときに幸せを感じますか? (永野さん)
     一人で黙々と作業することが多いのですが、周りの社員がさりげなく声をかけてくれるときなどはうれしいですね。自分の目標をクリアしたときもうれしいですが、これは幸せというより達成感でしょう。この会社はとても面倒見のいい先輩や上司が多いので、ここに勤めてよかったと思うし、もっと貢献したいです。こう思えるのが幸せかもしれません。
    Q:Q:石橋さん、私は卒業後BtoBの企業で営業の仕事をしたいと考えています。どんな準備をしたらいいですか?(溝口さん)
     営業は「人対人」なので、「相手を思いやれる」ことがとても大切です。でもそのためには、まず「自分を好き」になること、自分を大切に感じることが大前提です。そうすれば自分の仕事も好きになり、相手に対して「なんとかしてあげよう」という気持ちも芽生えると思います。自分がどう思うかで、相手も変わります。自分も友だちも大事に思う気持ちを持ち続けてください。
    • インタビューを終えて

       私が学んできた理系の知識が活かせる企業が身近にあることを知りませんでした。社長さんの話もわかりやすく、今回はとてもいい機会をいただけました。地元で就職するのも一つの手としてあると改めて思いました。(溝口さん)

       
       川越に住んでいるので、この会社の前を車で通ったことはあったのですが、どういう企業か知りませんでした。今日はたくさん話を聞き、事業内容を深く知ることができて良かったです。私は川越が大好きなので、地元企業で地域に貢献していきたいです。(永野さん)

       就活では、これまでインフラやIT関連事業の企業は考えていなかったので、今日は新しい視点を得ることができました。通信ケーブルがどのように製造され、生活でどう使われているのか、地域と企業のつながりを知ることができてよかったです。(小久保さん)

    企業情報

    社名通信興業株式会社 
    社名(フリガナ)ツウシンコウギョウ
    設立年1947年
    資本金9,800万円
    代表者氏名石橋栄子(代表取締役社長)
    所在地埼玉県川越市的場1735-2
    支店・営業所等東京営業所
    業種情報通信機械器具製造業
    正社員数92名 (男性 60名 女性32名)
    主な事業内容通信用電線・ケーブル製造販売
    電話049-231-1232
    FAX049-233-2446
    mailhttps://www.tsuko.co.jp/contact/
    企業サイトURLhttps://www.tsuko.co.jp/
    ※本データは公開時点のものです

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