国内で一番細いCAT6AのLANケーブルを製品化
社会のデジタル化に伴って、情報通信ネットワークは通信量の急増と高速化が目覚ましい勢いで進んでおり、さらに今後は生成AIの普及によりトラフィックの爆発的な増加も予想されている。そのような状況のなか、官庁や企業など多くの団体が所有するデータセンターでは、ケーブルの高性能化とケーブル部材の高密度実装がますます求められている。
今回、KOEDO E-PRO大賞を受賞した「LAN用CAT6A極細径パッチコード」は、そのようなニーズに応えた、国内で最も細いLAN用ケーブルだ。
「通常LANケーブルはハイスペックになるほど太くなります。しかしこのケーブルは、スペックはそのままに外径を4.3mmに。断面積は14.5㎟で、通常径製品と比べて約62%減に成功しました」と技術開発部長の榎本正浩さんは胸を張る。ケーブル内に通常使われる十字介在を使わずここまで極細径を実現できたことで、「曲げ半径」も小さくなり、より高密度実装が可能になった。また、カテゴリー6Aなので今後一般的になる10Gbpsネットワークにも利用できる。
さらに同製品はエコ素材で作られているのも特長だ。通常LANケーブルの外被材質にはPVC(ポリ塩化ビニル)が使われることが多いが、同製品は「耐燃性ノンハロゲンポリオレフィン」樹脂を使うなど、廃棄する際の環境に配慮した材質で製造している。
同社は1947年の創業以来、情報通信用ケーブルの専業メーカーとして、LANケーブルや光ファイバケーブルの研究開発から製造販売まで一貫して手掛けてきた。同製品はデータセンターや機器室といったLANケーブルの密集するところの配線の施工や維持管理を容易にし、省スペース化に大きく貢献している。