通信興業株式会社
社屋外観

令和6年度 KOEDO E-PRO認定企業

通信興業株式会社

超高速LANケーブルなど、通信用電線・ケーブルの研究開発・製造販売

認定製品・技術:
LAN用CAT6A極細径パッチコード
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国内で一番細いCAT6AのLANケーブルを製品化

社会のデジタル化に伴って、情報通信ネットワークは通信量の急増と高速化が目覚ましい勢いで進んでおり、さらに今後は生成AIの普及によりトラフィックの爆発的な増加も予想されている。そのような状況のなか、官庁や企業など多くの団体が所有するデータセンターでは、ケーブルの高性能化とケーブル部材の高密度実装がますます求められている。

今回、KOEDO E-PRO大賞を受賞した「LAN用CAT6A極細径パッチコード」は、そのようなニーズに応えた、国内で最も細いLAN用ケーブルだ。
「通常LANケーブルはハイスペックになるほど太くなります。しかしこのケーブルは、スペックはそのままに外径を4.3mmに。断面積は14.5㎟で、通常径製品と比べて約62%減に成功しました」と技術開発部長の榎本正浩さんは胸を張る。ケーブル内に通常使われる十字介在を使わずここまで極細径を実現できたことで、「曲げ半径」も小さくなり、より高密度実装が可能になった。また、カテゴリー6Aなので今後一般的になる10Gbpsネットワークにも利用できる。

さらに同製品はエコ素材で作られているのも特長だ。通常LANケーブルの外被材質にはPVC(ポリ塩化ビニル)が使われることが多いが、同製品は「耐燃性ノンハロゲンポリオレフィン」樹脂を使うなど、廃棄する際の環境に配慮した材質で製造している。

同社は1947年の創業以来、情報通信用ケーブルの専業メーカーとして、LANケーブルや光ファイバケーブルの研究開発から製造販売まで一貫して手掛けてきた。同製品はデータセンターや機器室といったLANケーブルの密集するところの配線の施工や維持管理を容易にし、省スペース化に大きく貢献している。

  • 右が今回受賞した「LAN用CAT6A極細径パッチコード」
    右が今回受賞した「LAN用CAT6A極細径パッチコード」

独自技術・強み

次世代のLANケーブルとして、カテゴリー6Aの帯域も情報量も4倍の「カテゴリー8」の規格が制定されている。同社は業界で先駆けてカテゴリー8のケーブルを製品化した。その研究開発力の高さと、川越の本社工場での全製品一貫した製造体制が高品質な製品を生み出している。

展望、事業連携

「今後は光ファイバケーブルが中心であるネットワークに、どのようなメタルケーブルを使うと全体最適になるのか、カテゴリー8ケーブルのようなメタル高速ケーブルがどのように使われていくのか、動向を見ながら対応していきたい」と代表取締役社長の石橋栄子さんは語る。さらに今後は身の回りのものがインターネットでつながる「IoT」も発展するので、そのような多方面で使えるケーブルを開発していくつもりだ。

インタビュー 代表取締役社長 石橋栄子さん

(左)代表取締役社長 石橋栄子さん(右)技術開発部長 榎本正浩さん
通信ネットワークは、今ではもう電気・水道・ガスと並ぶ社会インフラの1つ。一瞬でも止まると私たちの生活に大きな支障をもたらします。日本国内の通信インフラを支える商品を、今後も川越に根付いた地元企業として提供していきたいと考えています。

企業情報

社名通信興業株式会社
社名(フリガナ)ツウシンコウギョウ
設立年1947年
資本金9,800万円
代表者氏名石橋栄子 (代表取締役社長)
所在地埼玉県川越市的場1735-2
支店・営業所等東京営業所
業種情報通信機械器具製造業
正社員数92名
主な事業内容通信用電線・ケーブル研究開発・製造販売
電話049-231-1232
FAX049-233-2446
mailhttps://www.tsuko.co.jp/contact/
企業サイトURLhttps://www.tsuko.co.jp/
※本データは公開時点のものです

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