世の中の“くっついてはいけない”
というニーズを引き受け続ける会社
トシコは、自社開発した表面処理技術「トシカルSコーティング」の特許を日米同時に取得。のりや粘着テープもくっつかない、粘着性のない物質表面を作る技術で、これは世界でも例を見ないもの。
「まず素材の表面にミクロン単位の凹凸を作り、その上からフッ素系やシリコーン系などの材料でコーティングを施すことで、類を見ない非粘着性を実現した」(代表取締役社長・諏訪部充弘さん)という。
同社は自社製品の販売は行わず、受託加工の専業メーカー。取引先は現在2000社、累計では5000社にも上る。同社の技術は、粘着テープ、生ゴム製品、半導体など、材料がくっついてしまってはラインが滞り、生産性を低下させてしまうような製品の製造装置に取り入れられている。金属をはじめ、セラミックス、樹脂、ゴムとさまざまな素材にも使える。非常にニッチな分野だが、世の中に“くっついてはいけない”というニーズは、実は多くあり、トシコの表面処理技術への関心はすこぶる高い。